2011年4月20日水曜日

ISO26000とは(後編)

ISO26000のもうひとつの特徴は、この規格がマネジメントシステムではないということです。認証規格であれば、通常はその内容についてのマネジメントプロセスがしっかりと規定され、運用さているかというPDCAサイクルが重視され、それが適合しているかどうかについて第三者による認証が行われます。一方、ISO26000ではPDCAサイクルのようなマネジメントのプロセスが重視されている訳ではなく、自らの組織ごとに、どのように取り組むかについてはそれぞれの状況や実態に合わせて柔軟に対応できることに特徴があります。

ISO26000の第6章では、組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展という7つの中核主題について組織が主体的な行動をする際のガイドとして活用することができるようになっています。

認証規格ではなくガイダンス文書であることから、個々の組織がわざわざ対応する必要はないので関係ないと思われがちなのですが、実は全ての組織が好むと好まざるとにかかわらず対応を迫られる可能性があるということができるのです。


<前編を見る