2022年5月27日金曜日

時短命令は違法だった

 グローバルダイニングが経営する店舗に対して

東京都が発した時短命令が違法であるとの判決

がでたというニュースです。


https://www.tokyo-np.co.jp/article/177705


もとより「飲食店」という理由だけで時短を強制

する事に合理性があるのかという疑問はありま

したが、こうして裁判をやって司法の判断を聞

いて、やっと

「そりゃそうだ」

という気分にもなります。


が、もし裁判結果の報道がなければ、

「あんなもんだ」

で終わっていたでしょう。


ああいうとき、行政もメディアも国民もブレーキ

がかからない。


今も昔も同じなんだなと思います。


あとは繰り返すかどうか。

たぶん、繰り返すだろうなあ。


<ホール店員さん向け風営法クイズ>22.5.26 酔っぱらっているお客さんが缶ビール持って入店してきました


ツイッター 風営法とコンプライアンス@lOlArsAliZbJfPOより

 酔っぱらっているお客さんが入店してきました。

手に缶ビールを持っています。

さて。このあとどうすべきでしょうか。


ビール

<こたえ>


(注)以下はパチンコ店営業に限った話です。ほかの業種では当てはまらない内容です。


ほぼ全ての都道府県において、パチンコ店が客に飲酒させること風営法施行条例で禁止されています。

条例の原文はホールの役職クラスの人なら一度は目を通しておきましょう。


客が飲酒していたら、店員さんはお客さんに対して「お酒飲まないで~」と言って、飲酒をやめさせなければなりません。


これに失敗すると風営法施行条例違反となり、違反処分となれば、悪質でなければ警察署から指示処分を受けます。


もし、客が酔っぱらっていて、その人が持っている缶ビールのフタが空いていて、しかもまだ缶の中にビールが残っていたとしたら、そのお客さんはそのあと、おそらく店内で飲んじゃいますよね。


ということは、客が持っている缶ビールの状況を、たとえば次のように確認して判断することになるでしょう。(あくまで一例です)


①アルコールかどうか

→ノンアルコールビールならば飲んでも飲酒ではないから条例違反にはならない。しかし、確認するには声掛けも必要かも。。。(これは別の問題があるので別途取り上げます)


②缶ビールをケース(箱)で持っている

→ おそらく店内では飲まないでお持ち帰りするであろう。しかし、バラして飲んだりされないように一応監視する。


③手に持っている缶ビールのフタがまだ空いていない

→これからビールを飲むかもしれない。ならば先んじでお客さんに説明してもよいかも。

「すでにご存じかもしれませんが、当店では飲酒ができないルールになっております。よろしくご協力くださいませ。。。」

なお、二重の説明は失礼に当たるのでスタッフで随時情報共有しましょう。


④缶ビールのフタが空いている

→全部飲み終わっているかもしれないので、

「あ。こちらのビールはもう飲み終わりましたか?でしたら私が廃棄してもよろしいでしょうか。」

で。まだビールが残っているのなら、例えば。

「申し訳ありません。当店では店内の飲酒ができない決まりになっておりまして、もし差し支えなければお帰りのときまで当店でお預かりさせていただいてもよろしいですか?」

もちろん実際に預ける客はいないでしょう。多くの場合、「じゃあ、捨てるからいいよ。」となるでしょう。

万が一、「わかったよ。今ここで飲み干せばいいだろ!」

などと言い出したら、店内では飲まないように、やんわりとお願いしましょう。やんわりですよ。やんわり。


こういう話をすると、

<何が何でも飲酒をやめさせなければならない。たとえ、お客とモメてもだ!>

という人もいます。

警察が怖いからといってルールに過剰反応してしまう人。こういった考え方はむしろ危険ですし、もったいないです。

この条例違反のリスクはせいぜい指示処分相当。しかも、警察沙汰にならなければどうということもありません。

ここは冷静かつ柔軟に判断して、大事なお客様とのトラブルはなるべく避けましょう。

客が飲酒してしまったとしても、その後の対応が適切であれば問題になりません。

こういうときに皆さんの理解度や柔軟性が問われるのです。

そして、こういったことが起きたとき、問題が無事に解決できてもできなくても、やっておくべきことがあります。

これも別途取り上げようと思います。


さらに重要な点があります。

そのお店のハウスルールはどうなっているのか?

そもそも酒類の持ち込みを禁止しているホールもありえますが、その場合はまた違った対応になるでしょう。

そのあたりも、この問題をわかりにくくさせてしまうポイントかもしれませんね。



とりあえず おわり


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2022年5月25日水曜日

風俗営業者(パチンコ店)の従業者名簿の備え付けはどこまで必要?


「令和3年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」
が警察庁から公表されました。

ホール業界では店舗数減少を示すデータの部分がよく紹介されていますが、行政処分件数も公表されています。

とは言え、ホール業界のために使えるような部分があるかというと、ほぼありません。

なぜなら、ホール業界のための数値としては公表されていないからです。

4号営業としては麻雀、パチンコ、その他でまとめらてしまうし、違反処分件数も業種ごとではありません。

というわけであまり役に立たないデータですが、以下の表を見てわかるのは、風俗営業全般において「従業者名簿関係の違反処分」が多いということです。


釘や買取の違反リスクなんてどうでもよいという方々でもよく気にしている「指示処分」というヤツですが、指示処分でもっとも多いのがこの「従業者名簿関係の違反」ですから、よく問い合わせがあります。

で。そのなかでもよくあるのが、「どの人の名簿が必要なの?」という質問です。

警察関係者の中には、なんでもかんでも名簿をつくれーという人がいます。

では。。。


①大手ホールの本社から店舗に半日だけ視察に来た人。

②A店からB店に一日だけヘルプで入ったスタッフ。

③夜間だけ店内清掃するスタッフ。

④店長

⑤社長

⑥昼間、自動販売機にジュースを補充に来た人

⑦来店イベントに呼ばれたタレントさん

さて、どの人の名簿が必要? 不要?


こたえ

①は法的には不要と思う。だけど某県ではそろえろと指導されているのを間近で見て、マジか!と思ったことがある。

②必要

③不要

④必要

⑤不要

⑥不要

⑦必要

この違いがわかりますかね。

なお、従業者名簿の備え付け義務違反は犯罪です。

従業者名簿はいろんな意味で奥深いです。

本来は、夜10時以降の接客禁止という風営法の規定を順守させるための名簿だと思うのですが、もはや趣旨から解釈する人もあまりいなくて、書いてあることをやたら拡大解釈しとけばよいという風潮が否めません。

法令解釈として本来どうあるべきか。だけでは済まず、勘違いする人への対策も必要。

だって、どこかのパチンコ店の立ち入りで住民票の不備を指摘されたという話は年に1回以上聞きますよ。そりゃ、法令のそんな細かいところまで気が付かないことだってありますから。

名簿関係の法令をセミナーできちんと解説したら、かなり時間がかかるけど、おそらくみんな眠たくなってついてこれないでしょう。

どうすることが正解か(法的な正しさとは別に)については、状況や方針によっていろいろだということです。

少なくともこういうことは言えます。

立ち入りがあったときに、「あの人の名簿はどこ?」と問われることを想定しておきましょう。

それから、法令で記入義務がある箇所を空欄にして放置するほど愚かなことはない。

さらに。

不法就労助長罪は重大犯罪なので、これだけは避けてくださいね。

つまり、外国人の場合は在留資格と在留期間と更新期限への備えはゼッタイ手を抜いてはならないのです。

最後に。

この人やばいかも、と思ったら身分関係書類はきっちり保全しておきましょう。

雇用者も外部委託も、風営法としては区別しない点もお忘れなく。


注意ポイントがいっぱいですね。ほかにもまだあったかな。