2013年12月4日水曜日

デトロイトは他山の石

 米連法破産裁判所が、昨日ミシガン州のデトロイト市に対して連邦破産法9条の適用を認める判断をしました。これで、デトロイト市の負債については整理がすすみ、少しずつ良い方向に向かうのではないかと思います。

 1980年代までは自動車産業の街として発展してきましたが、日本の自動車メーカーの進出に押されるなどした結果、自動車産業の衰退とともに経済が低迷し債務が膨らみ、人口も減少していきました。

 アメリカの自動車産業は近年大きく復活してきましたが、すでに自動車関連産業がそれほど残っていないデトロイト市は、その恩恵に浴することができませんでした。

 治安やインフラを維持するコストも削られたことによって、市内の街灯の4割が消え、警察が通報を受けてから警察官が現場に到着するまでの平均時間も58分となって、全米でも最も治安の悪い街のひとつになってしまいました。

 デトロイトが破綻した大きな理由は自動車産業の低迷による産業と人口の流出なのですが、この日本も長期的には産業の空洞化と人口減少がすすみつつありますし、債務も大きく膨らみ続けています。なんとなく似た道を歩んでいるような不安を感じないでもありません。

 中小企業が力をつけて、海外と直接わたりあえるようになることで、これからの日本の展望が大きく開くだろうなあと、思っています。