2010年4月4日日曜日

Eラーニングは何のため!?

弊社ではWEB上の学習システムを使ってお客様企業のEラーニングサービスを提供しています。

内容は契約されている企業に関連する法務分野のテスト問題です。

こういったテストを行うことをお勧めした場合の反応は主に次の二種類があります。

A 法律がぜんぜんわかっていないからテストしてほしい。

B 法律はよくわかっているはずだからテストする必要はない。

ところが、私どもがお客様に期待しているご意見は、

C 法律をよくわかっているつもりになっているのでテストする必要がある。

となります。

もし「A」の場合のごとく、あるテーマについてわかっていないのであれば、テストする前に学習した方が効率がよいですから、セミナーや学習資料の提供を提案します。

そして「B」のご意見のお客様にこそテストの実施をお勧めします。

と言うのは、「わかっているつもり」の状態が法的リスク管理の面では一番危険だと思うからです。

私達がよく見る法的トラブルのうち、その原因になることが多いパターンとして、「わかっているつもりになって安心していた。」という現象があります。

「大丈夫」だと思うから油断が生まれるのですが、その「大丈夫」の背景に、「自分達はよく知っているのだ」という意識があるわけです。

実際には95%の理解でしかないのに100%だと思い込むことは危険なのですが、現実に100%理解している人はめったにいませんし、少なくとも私自身にとって100%は無理です。

私などは、いつでも自分を疑っていますし、だからこそ同じことを何度も調べたり確認したり、疑問を持ったりしています。

これは辛い作業ですがリスク管理の基本でもあります。
私達が提供するサービスは法的なリスク管理を目的としているのであって、社員の評価や才能のPRを目的としていません。

ですので、自分は100点、又はそれに近い状態だと思っている皆さんにこそ提供したいと考えるのです。
そして100点を取れればそれは立派なことですし、もしひとつでも間違いや無知に気がついたのなら、それで充分意味があったと思います。

私達が行うテストは、たったひとつの「知らなかった」という発見を導き出すことが目的なのです。