2012年8月29日水曜日

釣山紀行 H24 その2


大自然の中で遊ぶので、人知の及ばない想定外の出来事に遭遇する。

去年はキャンプ初日から大雨。「止まない雨はない」と高をくくっていたが、何日かすると集中豪雨となり、キャンプサイトがまるで川、横を流れる中荒沢川は濁流と化し、上流の大岩を押し流して来る。

 僕達はまだ2日を残していたが、体が危険を察知したので、豪雨の中でテントなどを撤収し、昼過ぎにそこを出た。

その後のことは、後日キャンプ場の管理人さんから聞いたことだけど、その日の夕方にシルバーラインで崖崩れがあり、小出の町への通行が遮断され、銀山平に居た100人程の人達が孤立してしまい、自衛隊のヘリコプターで救助されたそうだ。

その後、いたる所で崖崩れがあり、関係者が取り敢えず通行出来るまで2ヶ月の時を要したそうだ。今も復旧工事がなされているそうだが、未だ福島県への通行は出来ないと言うことです。

今年行ったら管理人さんが最初に言ったことは、「あの状況の中、帰れたのは荒井さん達だけですよ、良い判断でしたね。」ということだった。

これこそが、僕がいつも言ってる「今そこにある危機を知れ」と言うことです。

(つづく・・・)

2012年8月26日日曜日

閏日の雪景色(のぞみ総研2012.2.29コラムより)

大雪でご苦労されている皆さんを見ると心が痛みます。
ついさっき雪かきされた道路が、あっという間に真っ白です。

でもこの歳になっても、雪景色を見るとついウキウキしている自分がいます。
こういう日は外に出ないで、あったかいコーヒーでも飲みながら、
のんびり景色を見ていないなあと。
しかし今日はメルマガ配信の日なので、コラム作成を任命された以上は
何か書かねばなりません。

そこで思いつたのは、今日が2月29日、つまり4年に一度の閏日だということです。
2月29日に生まれた人は、誕生日を迎えられる日が4年に1回なんですね、
当たり前ですけれど。

さて、この日に生まれた人は、2月28日と3月1日の、どちらの日に誕生日を
祝ってもらうのでしょうか。
法律的に考えてみますと、たとえば運転免許の更新日は誕生日が基準
となるところ、閏日生まれの人については閏年以外の場合、誕生日の
前日である2月28日とみなされます。
一日早く更新日が来てしまうということですね。

年齢の計算においては、閏年以外の年では2月28日の午後12時になった
時点をもって、一つ歳を取ったと考えます。
つまり、閏年においては2月29日が誕生日、それ以外の年では3月1日が
誕生日、という考え方のようです。(民法第143条第2項)

今日この日に生まれた人たちは、「あんたが生まれた日はすごい大雪だったよ。」
と、4年に一度、思い返されるのかもしれません。


(日野 孝次朗)

2012年8月22日水曜日

昭和の人情(のぞみ総研メルマガ2012.2.22コラムより)

埼玉県川口市のSKIPシティという所に映像公開ライブラリーという施設が
あります。
そこにはNHKのドラマやドキュメンタリーで、DVD化されていない番組や
ネットでは見られない番組を試聴することができます。

1987年、88年にNHKで放送された「イキのいい奴」「続・イキのいい奴」
というドラマがありました。
戦後に鮨屋に弟子入りした青年の成長物語のドラマです。
名優小林薫が頑固な親方、弟子が金山一彦というキャスティングで、
昭和の人情味あふれる内容の大好きなドラマでした。
ひょんなことから当時のビデオが見つかり休日に見ていたのですが、
「続・イキのいい奴」の残り4話のビデオが見つかりません。
気になって仕方ない私は片道1時間半以上かけて川口まで行き、タクシー
に乗ってSKIPシティまで行って最終回まで見てきました。

このドラマには原作があります。
「神田鶴八鮨ばなし」という本です。
作者であり鮨職人の師岡幸夫さんの修業時代のお話しが元になっています。

このドラマと原作で感じることは、昔の人は人間関係をとても大切に
していたのだということです。
今日の人達が人間関係をないがしろにしているということではありません。
ご近所付き合いなど人と人とのふれあいが今日とは比べものにならない
くらい多く、それが当たり前だったのだと思います。
映画「三丁目の夕日」にもこのドラマ・原作と共通する「人情」という
ものがあると思います。
だから私は面白いと思ってしまうのでしょうね。

感慨深いドラマと書物に何となくホッとした今日この頃です。

 (小峰 望)

釣山紀行 H24 その1


今年も銀山湖へ行ってきました。

一週間と言う時を自然の中で心行くまで堪能しました。

場所について少々説明します。

新潟県と福島県の県境に位置する奥只見と言う所で、そこに通称「銀山湖」と言う奥只見ダムがあり、その湖には、1メートルの大岩魚が生息しているとの伝説があり、僕達はずっとその主を見たくて行く。

秘境であり、商店など全くないので下の小出の町で一週間分の食料を買って銀山平キャンプ場に上る。

そこでは、誰もが自由で、釣りをしたければ釣りに出掛け、本を読みたい人は木陰で読書、昼寝で時をやり過ごす人もいる。

僕は3年前から、写真の小さい人を同道して行ってるので、釣りは夕間詰めの30分くらいしかやらないけれど、それでも5匹くらいの岩魚は釣り上げる、その中でキープサイズ(25㌢以上)1匹を持ち帰り、長い夜の酒の肴とする。

(つづく・・・)

2012年8月15日水曜日

Pale Blue Dot(のぞみ総研2012.2.15コラムより)

 日本の小惑星探査機「はやぶさ」の地球への帰還は、日本人に大きな
影響を与えたようで、あっという間に三本もの映画がつくられました。
先週、三本目の「はやぶさ 遥かなる帰還」が公開されています。

 「はやぶさ」は地球に帰還する際に回収されたカプセル以外は
燃え尽きてしまいましたが、燃え尽きることなく宇宙を飛び続け
観測を続けている探査機もあります。1977年に打ち上げられ、
木星や土星などの天体を観測した後、太陽系の外を目指す星間探
査機となった、ボイジャー1号と2号です。

 ボイジャー1号は、1990年に地球から60億キロ離れた地点から、
太陽系の家族写真を撮影しました。あまりに遠いところからの写真
なので、とても画質が悪いのですが、「天文学上でもっとも重要な写真」
の一つとされています。
その中に、チリのように浮かぶとても「薄くて青い点」(Pale Blue Dot)
のように写る地球の姿もありました。
この本当に淡い、小さな「点」の中に私たちの全てがある訳で、
地球から外に出て行くことができない以上、この小さな世界を大切に
守っていくしかないことを改めて感じるのです。

法務コンシェルジュブログに、写真入りの記事を掲載しました。
60億キロの彼方から見た地球の姿を見てみたい方は、ご覧ください。

http://nozomi-soken.blogspot.com/2012/02/pale-blue-dot.html


(今村 正典)

2012年8月8日水曜日

渓流は甦るか!さらば神ノ川 その4


最後の希望を持って、一段目の滝に戻ってみたが、そこも奥に抉り込んでいた壺が消失しまっていて、単なる通りすがりの流れと姿を変えていた。

川を遡上して見たが、 テンカラ釣り師の五感が魚影を全く感じない。

僕が二十数年愛した神ノ川は、岩魚の住めない清流と化してしまったのだろうか。

何だか判らないけれど、涙が込み上げた。


もう二度と、ここ神ノ川に来ることはないだろう。

僕の一つの渓流伝説が終焉した。

何時の日か神ノ川は甦ってくれるだろう。

ここはそんなにヤワじゃないから。


今年は大変だな。

地元でホームとする渓流を探さなければならない。

その条件は岩魚は放流されていないことと、釣り師があまり入渓していないことと、テンカラが振り込める立地条件が揃わなければならないので難しい。

探し当てたら紹介致します。それでは又の日を。


帰りがけに、こんな夕日を見た。

雲一面がオレンジ色に染められた夕日なんて、この辺では見たことがない。

僕の心を知った神様からの贈り物かな。

そう思ったら新たな闘志が沸き上がって来た。

きっと、明日は良い日だ。



シリーズ「渓流は甦るか!さらば神ノ川」

おわり

2012年8月1日水曜日

座礁事故から考えてみました(のぞみ総研メルマガ2012.2.1より)

 イタリア中部の地中海にあるジリオ島の沖で、イタリアの豪華客船
「コスタコンコルディア号」が座礁、転覆した事件ですが、事故から
10日ほど経って事故の原因の究明も進んできました。

 この船は、2006年に完成した全長が290メートル、総トン数
114,147トンという巨大な客船(ちなみに日本最大の飛鳥Ⅱは
50,142トン)で、本来は水深のある沖を通らなければならなか
ったにもかかわらず、島出身の乗員のために島に近寄りすぎて
座礁したということのようです。

 船長は、乗客の非難誘導の指揮をしないばかりか、いち早く船を
放棄するなど、海難発生時に船長がとるべき義務を果たしていない
ことが問題になっています。法律的にも、船長は乗客乗員全ての避難
が完了するまでは船を離れてはいけないことになっていますので、
数千人の乗客を残して船を放棄した船長は、刑事的にも訴追を免れ
ないことになります。

 今回の事件で驚いたのは、むしろ乗客の多さです。事故当時同船
には3276人の乗客が乗っていました。巨大な船の中で、停電も
発生している中では冷静な判断ができなくなり、パニックが起こるの
も無理はありません。1000人以上の乗組員も、多くは資格を持
った船員ではないので適切な避難誘導が出来なかった可能性も指摘
されています。乗客の証言でも、適切な誘導がなかったという証言
が多く寄せられています。

 今回の事件は、万が一の事態が発生したときのことを、危機管理
という側面から充分に考え日常から厳しく訓練を続けておくことの
重要性を考えさせられました。

(今村 正典)

渓流は甦るか!さらば神ノ川 その3


三段目の滝。

ここの壺はもっと大きく、もっと深い。

幻の大岩魚の住み家だったのに、壺がなくなってしまった。

これでは、大岩魚はおろか小さな岩魚でさえ生息出来ない。







三段目の滝は、この大岩の頭の部分が少し覗いている程度だったのに、岩の全容がさらけ出されてしまった。

滝の落ち込みと岩の間に振り込むと機嫌の良い岩魚が必ず出てくれた。

それでも二段目より多少深さがあるので、淡い期待をもって暫く場所を変えて振り込んでみたが、機嫌の良い岩魚はいなかった。 



(次週へ続く)