東海大学の海洋調査研修船「望星丸」で行われる実習に今年も参加させていただき
ました。
初日には、駿河湾でプランクトン採集や海水の観測装置による海水の性質観測など
かなり専門的な調査実習が行われました。真面目に観測しているばかりではなく、カ
ップ麺の容器を1000メートルの深海に沈めて水圧を実感する実験や深海から汲み
上げた「深層水」を味わってみるなど、なかなか楽しい実験もありました。来年は、
「きゅうり」や「ナス」を沈めて水深1000メートルの水圧で漬けた「深海漬け」
を作ってみようかという話も出ていました。
毎年のように海に出ると、海洋環境の悪化を感じます。プランクトンネットには海
面を漂う発泡スチロールやビニールなどのゴミが入ってきます。天候や紫外線の影響
で小さく分解されているものも多いですが、これらのゴミは、いつの間にか食物連鎖
の中に入り込んで、より大きな生物に影響を与えます。
講義室での講義だけではなく、洋上に出て実際の現場で直接こういった現実に触れ
ることで、学生の皆さんの意識も大きく変わっていくのではないかと思います。
今回の航海には、一人高校二年生の女の子が卒業生である親御さんと乗船していま
した。大学に入って海洋生物の勉強をしたいという、とても高い目的意識のある子で、
あらゆるものに目を輝かせていたのがとても印象的でした。
(今村 正典)