まずは、あの滝の上に出て、渓流を釣り上がろう。
昨日雨が降ったので水量は多いようだが、危険水位ではなさそうだ。
この渓流エリアは昔から釣れないんだよな、僕には。
放流している訳ではないから、ネイティブしかいないはずだけど、それでも釣れないと言うことは、渓魚が居ないと言うことか。
大岩がゴロゴロしている。
この落ち込みに居ないはずはない。
山と川の境界、これも自然の産物。
単独行なので、もし滑り落ちてしまっても助けて貰えないから行かない。
遡上している時は汗を掻くけれど、休むと忽ち汗は引っ込み寒いくらいだ。体の汗を拭い、清流の美しい水で顔を洗い、口を漱ぐ。
ここで、用意してきたオニギリを頬ばり腹を満たす。
ここを二〇メートル程上ると林道に出る。昔この上の広場でキャンプしたことがあたっけ。