2011年5月25日水曜日

第二章 用語及び定義(ISO26000)その2

 今回は、「顧客」と「デューデリジェンス」の二つの用語についてとなります。しばらく用語の解説が続きますが、大切なところです。

2.3   顧客(customer)
 「資産、製品又はサービスを商業的、私的又は公的な目的で購入する、組織又は一般社会の個々のメンバー。」

   顧客は消費者よりも狭い概念で、直接にもしくは間接的に組織から製品を購入したりサービスの提供を受けたりする主体です。個人だけではなく法人も含まれますし、組織との関係も、私的な目的ばかりではなく事業目的による購入もあります。最終的に製品やサービスの提供を受ける対象も顧客ということができます。顧客も組織にとってのステークホルダーとなります。


2.4  デューデリジェンス(due diligence)
 「あるプロジェクト又は組織の活動のライフサイクル全体における、組織の決定及び活動によって起こる、実際の及び潜在的な、社会的、環境的及び経済的なマイナスの影響を回避し軽減する目的で、マイナスの影響を特定する包括的で積極的なプロセス。」

 デューデリジェンスは、「当然に払う努力」といった意味で、一般的には投資やM&A、不動産取引などに際して、その対象に対してその価値や、存在しているリスクについて事前に調査することを言います。ISO26000では、組織の決定や活動に伴って発生すると思われる、表面上に現れるものだけでなく、潜在的に存在すると思われる社会的、環境的、経済的なリスクを回避したり、緩和したりするために組織の決定や活動に伴うマイナスの影響を積極的に調査し、特定することであると言うことができます。