イージス艦衝突事故無罪判決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110511-00000033-mai-soci
イージス艦「あたご」と漁船が衝突し、船員2名が死亡した事故
の裁判で、責任があったとされる自衛官2名の無罪判決がありました。
判決の妥当性はさておき、自衛艦のように高度に組織化されたシス
テムで発生する事故の場合、その責任が誰にあったのかが不透明に
なりやすくなります。
現場担当者がミスしやすい環境を組織全体で無意識につくり出して
しまっていたとしたら、その責任を末端の担当者に押し付けて済む
ことではありませんし、かといって事故当時の組織の長に刑事責任
があったと決めるつけることもできません。
自衛隊の元幹部は、
「あたごの事故は、人間は必ず間違えるという前提に立ち、それを
チームでどう補い合うか、という視点で現場を見直すきっかけに
なった。」と話したそうです。
この事故が起こるまで、そのような視点で現場の見直しをしていな
かったということなら、亡くなられた方にとっては大変迷惑な話です。
緊急有事に対応するプロであるはずの自衛隊がその程度だとしたら、
この国家のリスク管理に不安を覚えます。
むしろ、私が知っている役所の傾向としては、責任の所在をわざと
不明確にしているため、リスク管理の見直しができなくなっています。
それを放置してきたツケが原発事故などに影響しているのではない
でしょうか。
リスク管理は日々見直しが重要です。
なにしろ「人間は必ず間違える」のですから、見直しはいつか
完結するということは無く、永遠に疑い、見直し続けるしかない
のです。