第二章では、ISO26000の中で用いられている27の用語の定義がなされています。これらの用語を定義することで、ISO26000の活用にあたってステークホルダーの間で用語の持つ意味について共通の認識を持つことができます。これから、何回かに分けて、用語の解説をしたいと思います。(27の用語全部ではないかもしれません)
2.1 説明責任(accountability)
「決定及び活動に関して、組織の統治機関、規制当局及びより広義にはそのステークホルダーに対して、責任のある対応のとれる状態」
「決定及び活動に関して、組織の統治機関、規制当局及びより広義にはそのステークホルダーに対して、責任のある対応のとれる状態」
組織が行った決定や活動について、その内容や決定に至ったプロセスを明確にすると共に、情報を公開すると共に組織統治が有効に行われるようにすることが重要です。そういったシステムを活用しながら、組織を構成する経営者や社員は自らの責任を果たすと共に、消費者や株主といったステークホルダーに対して、組織が行った決定や活動を合理的に説明できるようにしておくことが求められています。
2.2 消費者(consumer)
「資産、製品又はサービスを私的な目的で購入又は使用する、一般社会の個々のメンバー」
「資産、製品又はサービスを私的な目的で購入又は使用する、一般社会の個々のメンバー」
消費者とは、事業を行う目的ではなく私的に製品を購入したりサービスの提供を受けたりする人のことをいいます。消費者は事業者との間ではその経済的な能力や知識、商品やサービスに対する知識といった点で大きな格差が存在してきました。しかし、現在では消費者もステークホルダーとして大きな発言力を持つようになってきました。組織は消費者も組織にとって重要なステークホルダーであることを認識し、対話を続けることが重要です。