ソフトバンクの孫正義社長が、自由報道協会で原子力発電について
話をしている動画を見ました。とても真面目に原子力発電から再生可能
エネルギーへのシフトを考えていることが伝わってきました。
10億円の私財を投じて、「自然エネルギー財団」を設立するという
構想もあるとのことで、その行動力にも驚きます。
しかし、そこはやはり日本でも屈指の実業家だけあって、目の付け所が
違うなと感心しました。自然エネルギーを利用した小規模発電による
電力を本格的に電力供給網に組み込むためには、地域ごとに効率的な
エネルギー配分の調整を行う必要があります。これをスマートグリッド
といいます。
スマートグリッドには、電力消費を常に把握するためのスマート
メーターやそれらの情報を双方向に通信するための通信網が整備されて
いることが不可欠です。孫社長は動画の中で「私は電力については素人で」
という発言をされていましたが、これはまさにソフトバンクの本業その
ものですから、このことに気付いていないはずはありません。更には、
ソフトバンクがNTTとの攻防を繰り広げている超高速ブロードバンド
構想である「光の道」でも先手を打てるかもしれません。
そうしてみると、したたかな事業戦略も見え隠れしてはいますが、
再生可能エネルギーの活用という点では、実行力も影響力もある孫社長
には構想の実現に向けてがんばってほしいと思います。