店員に土下座をさせた客が強要罪で逮捕されたというニュースが話題になっていました。
不良品の代金を返金させただけでは満足できず、さらに様々な方法の謝罪を要求する人がいるのですね。
このニュースに対する反応として、土下座を要求しただけで逮捕されるのか?
という疑問があるかもしれません。
刑法第223条
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行
を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の
懲役に処する。
これは刑法の強要罪の条文ですが、単に謝罪を要求しただけで強要罪に問われるのではなく、「脅迫又は暴行」、そして「人に義務の無いことを行わせ・・・」が成立した場合に強要罪となります。
口頭で謝罪しただけでは気が済まず、土下座までさせる必要まであったのか。
土下座までさせる程のことではない場合に、脅迫して土下座を強要した時点で強要罪となるわけです。
たとえば、「土下座しないなら○○してやるぞ!」と言ったような場合です。
土下座という謝罪方法は日本の古い慣習によるものかもしれませんが、通常一般的に行われないからこそ土下座の価値があるのでしょう。
そうであれば、商品の返品くらいのことで土下座を要求するのは度を越していると考えられます。
土下座というのは謝罪する本人が自発的に行うことであって要求することではないと私は思います。
そもそも土下座という手法自体がどれほどの効果があるものか。
ある調査によれば、土下座によって謝罪を受けた人の印象としては、「うさんくさい」「誠意を感じなかった。」など否定的な印象を持った人の方が多かったそうです。
ひの