有名ホテルのレストランで食材の偽装があったとかで話題になっています。
高級でうまい料理を安い価格で提供しろ!と上から言われても、現場にとっては無理な話で、そのしわよせで「工夫」と言う名の「偽装」に発展してしまう現象は飲食業界全体で起こりうることなのでしょう。
日常、私達は言葉のイメージで食欲の刺激を受けているようです。
たとえば、
「フランス産トリュフと白舞茸の蒸しコンソメスープロワイヤル仕立て」
「鱸のポアレ
高知県の完熟トマト蜂蜜風味のシャンパンクリームソース
海草と長野県産濃緑ほうれん草のソテー添え」
ただの「スープと焼き魚」じゃだめなのですね。
フランス関係の言葉と「完熟」とか「濃緑」などあいまいな言葉を加えると高級感が出るようです。
食肉の販売では、よく「但馬牛」とか「飛騨牛」など、古い国名を充てると高級感が出てきます。
「原産地厚木」「練馬牛」などと表記するよりも「相模牛」とか「武蔵牛」と言われた方が、なんとなく高級です。
お昼のランチでも、ただの「焼き魚定食」よりは、「しまほっけのゆう庵焼き定食」とか「つぼ鯛の塩麹みりん漬け炭火焼き定食」の方が高級感ありです。
が、なんとなくうさんくさい気もします。
もしこれらが少しでもウソっぱちだったとしたら、心情的には到底許す気になれません。
広告において華麗な言葉をたくさん並べれば並べるほど、事業者はその言葉に縛られ、負担は増えます。
これを「正直のコスト」とでも言いましょうか。
ひの