2012年10月3日水曜日

近所の墜落事故の記録

軍用機の墜落事故は沖縄でばかり起きているように思われるかもしれませんが、
今回は我が事務所の近所での墜落事故について少々。
昭和39年4月5日、嘉手納基地を離陸した米海軍戦闘機が厚木基地に向かう途中
トラブルを起こし、町田市原町田2丁目(原町田駅近く)の商店に墜落しました。

現在、ホテルエルシーや町田市立中央図書館があるあたりですが、事故当時は
駅前商店街であり、日曜日の夕方だったので買い物客で混雑していたそうです。
7棟が全焼、7棟が半壊。商店主の妻(26歳)と子(9ヶ月)、2件となりの商店の
女性、自転車にのっていた通行人男性の計4名が死亡しました。このうち3名は
倒壊した民家に押しつぶされて圧死、1名は飛行機の破片を受けて即死。さらに
32名が重軽傷を負いましたが、地面に対し60度の角度で衝突したことで犠牲者
が少なく済みました。

同じ年の9月8日、大和市上草柳へ米海軍戦闘機が墜落し、200mほど林や民家を
なぎ倒しながら滑走して鉄工所へ衝突し炎上しました。
鉄工所の従業員3名が即死、2名が入院後に死亡、一般市民5名が重軽傷を負い、
鉄工所と住居は全焼しました。

また、この43分前に県厚木市旭町の相模川河川敷に別の米空軍機が墜落し乗員
2名が死亡する事故が起きました。
昭和39年のこの近所は墜落銀座と言わんばかりの状況だったのでした。

昭和52年の横浜市での墜落事故については「のぞみの目線」で触れたとおりです。

このほか、昭和30年には横田基地を離陸した米軍戦闘機が八王子市大楽寺町
付近に墜落し乗員1名と住民5名が死亡。
同年東京都日野市で立川基地を離陸した米軍爆撃機が多摩川河川敷に墜落し
乗員2名が死亡。昭和28年にも立川基地を離陸した米軍の大型輸送機が小平市
小川(現在西武拝島線付近)に墜落し乗員129名が死亡。
昭和25年、神奈川県の蛭が岳に米軍輸送機が墜落し乗員35名が死亡・・・。

実は関東周辺だけでも、まだほかに墜落事故の記録がありますが、これでやめて
おきます。最後にひとつ。

戦時中ですが、昭和20年4月2日。
町田市本町田の町田高等女学校上空でB29爆撃機が空中爆発し、右翼部分と胴体が
菅原神社に落下しました。
乗員のうち1名が墜落により死亡し、残る8名はさらに過酷な運命をたどりました。
この乗員達の話のつづきは、いずれまた。


(日野 孝次朗)