2012年9月4日火曜日

世界最悪企業(のぞみ総研メルマガ2012.4.4より)

 世界最悪の企業をインターネットの投票で決定する「パブリック・
アイ・アワード」で、東京電力が第2位となったことが、しばらく前
に報道されていました。
福島第一原子力発電所の事故で、環境に対して壊滅的な被害を与えた
ことだけでなく、その後の情報公開に隠蔽などもあったので、今回の
「受賞」はある意味当然かもしれません。

 1位となったのは、資源企業のVARE(ヴァーレ)という企業ですが、
この会社はアマゾンの熱帯雨林に巨大なダムを建設したことで、アマゾン
の生物多様性を破壊したことなどがその理由です。

 主催するNGOは、「毎年、この賞にノミネートされる企業による
人権侵害や環境破壊は到底、看過できない。
私たちは、多くの関係者と力をあわせ、企業が社会的責任を遵守するよう
に訴えていく」と語っています。

 これまでの「企業の社会的責任」は、企業の社会貢献の一部であると
されてきた部分がありますが、このNGOの発言に見られるように、
企業の社会的責任が法的な規制ではないにもかかわらず、法的規制では
ないがとても強力な規範性を持った「ソフトロー」として機能し始めて
います。

 企業の社会的責任のソフトロー化は、どうも世界的に大きな潮流と
なってきました。
もしかすると、私が思っているよりもかなり早い段階で、大企業だけでは
なく多くの企業がこの流れに巻き込まれることになるような気がしています。


(今村 正典)