アメリカの連邦最高裁判所の判事を努めていたフェリックス
フランクファーターが、「法律家になるにはどのような勉強をすれば
いいでしょうか?」という12歳の少年からの手紙に対して出した
返事があります。
この、「フランクファーターの手紙」は、法律を学ぶ者の心得の
一つとして有名です。
その内容は、絵画を鑑賞したり音楽を聴いたりすることによって
豊かな想像力を育み、幅広い読書から、経験や知識を学ぶことが大切で、
十分な一般教養を身につけてから法律の勉強を始めればよいというもので、
しかもそれまでの間は法律のことなんて「忘れてしまいなさい」と
書かれています。
つまり、人としての豊かな教養や感性を大切にすることで、
「法」の持つ底無しの深みに囚われてしまうことなく、その本質を
見極めることができるということなのです。
私たちが日常行っている法的な判断も、全く同じで「白か黒か」の
二者択一ではなく、その本質がどこにあるのかをしっかり考えて
判断していくことが重要なのです。
(今村 正典)