緑署に勤務した時、部屋に釣り好きが何人も居て、よく相模川へ大ハヤ釣りに出掛 けていたようだけれど、ハヤなどに興味のない僕は参加しなかった。
ある週末(その頃隔週5日制が試験実施され)の金曜日、部屋でハヤ釣り大会を実施することになり、課長も参加すると言うので一人不参加と言う訳にもいかないので、不承不承参加した。
仕掛けは鯉釣りのものと同じなので、新たな仕掛けを買い揃える必要はない、ただ餌が違っていた。
練り餌だけれど、市販されている練り餌だけではなく、中にイカの塩辛を入れたり、日本酒で練ったりとそれぞれ違う練り餌。
僕は、たかがハヤを釣るのにそんな餌なんか必要ないと思い市販されている練り餌だけを持参した。
場所は相模川と中津川が合流する地点周辺、何度も来ている人は暗い中自分の場所をすぐ選択していたが、初参加の僕は場所取りさえままならない。
やっと場所を決め、竿先に鈴を取り付け川の真ん中辺りに投げ、鈴が鳴るのを待つ。あっちこっちで鈴が鳴り始めたが、一向に僕の鈴は鳴らない、午後11時頃納竿となったが尺超えの大ハヤを何匹も釣った人が居る、因みに僕は坊主。
この大ハヤは唐揚げにすると美味いそうで、皆釣ったハヤを持ち帰った。
僕はハヤなど喰うものではないと思っていたので信じられなかった。
その日坊主の釣りをした僕は、負けられない釣り魂が燃え上がり、その後ハヤ釣りに参加し、餌をそれなりに考案し、何時しか竿頭になっていた。
喰うものではないと思っていた大ハヤは、唐揚げにすると本当の美味かったな。
何時だったか大ナマズが掛かり、やっとの思いで釣り上げたが、ナマズも喰うものではないと思っていたのでリリースしようとした、先輩が「これはウナギより美味い」と言うので疑心暗鬼で持ち帰ったけれど、女房殿が気味悪がって料理してくれない、僕だって料理の仕方は知らないので、津久井湖に逃がそうとしたところ、隣の中村さんの旦那がそれを見て、「捨てるならもらえないか、美味いんだよ」と言うので喜んで差し上げた。
数日後、中村さんが、油が乗っていて美味かったと言ってくれたのが救いだった。
それ以外にも、親父や弟を誘って土曜日の夜にその場所へ釣りに行ったが、ある時深夜の帰り半原の県道432号線で、暴走族の集団に出会ってしまった(暴走族が最盛期の頃だった)たまたま集落に入る脇道があったので、その道の回避したとこ
ろ上手い具合に、集まっていた暴走族の後方の出ることが出来たので事無きを得た。以来相模川での夜釣りは辞めたし、自分も県警本部に異動となったので、丁度良い引き際だったのだろう。
つづく