毎日歩いて事務所に通っているので、あまり通勤時間の電車に乗ることはなくなりました。
打合せの都合などで時折、ラッシュ時間帯の電車に乗るとサラリーマンの頃は毎日よくこん
な電車で通勤できたものだと思います。
先日も、朝からの打合せのために早朝の電車を利用しました。乗り換えのためにある駅で
降りたのですが、ふと、ホームを移動する人が皆下を向いて黙々と歩いていることに気がつ
きました。朝だというのに、活気がなくてなんだか「屠場に引かれる牛」みたいに見えない
こともありません。
以前、中国を訪問した際にも、やはり通勤時間帯の地下鉄を利用したのですが、中国の人
たちは朝からなんだか元気です。前を向いてしっかりと歩いていたという印象があります。
この違いは、きっと成長している国の特徴である「頑張ることが直接明日につながる、夢見
たことが少し先の現実になる」という明るい雰囲気がそうさせているのかもしれません。
日本では、夢を語ることがあまりなくなりました。学生の間でも、「夢よりも、いまの
現実」に向き合うことを求められます。
しかし、今の日本ほど「夢を語ること」が必要な国もあまりないように思えます。夢は時
として10年後の現実です。昭和30年代を懐かしむ声をよく聞きますが、きっと今の新興
国のように多くの人が10年先を夢見ていたのではないでしょうか。
夢を見る人になりましょう。
(今村 正典)