6.3 人権(その1)
ISO26000の中で人権は「全ての人に与えられた基本的権利である」とされています。いかなる組織、そして国家であっても基本的には人権は守るものであるとされます。国家は人権を尊重し、国民を保護する義務と責任があり、そのために一定の制約の範囲内で一部の人権を制約することもできますが、それ以外の組織は人権を制約することはできません。
組織における人権は、男女の差別や、障害者雇用といった直接組織が関係する分野と、取引先などのサプライチェーンの中で発生している人権侵害などのように、組織の意図とは無関係に人権侵害に間接的に加担しているといったものもあります。
組織も人権と関わる側面が多いことから、組織にも人権を尊重する責任があるのだということができます。