ISO26000では人権に関する課題として、次の8つの課題が提示されています。今回は、「デューデリジェンス」と「人権に関する危機的状況」について説明します。
1 デューデリジェンス
組織は、組織の決定や行動について、人権侵害の発生がないように注意を払う必要があります。組織や組織周辺の他者による人権侵害が起きることがないかについて、組織はデューデリジェンスの手法を用いて影響力や課題を調査して、その防止をしたり責任を見極めたりすることが求められます。
2 人権に関する危機的状況
紛争や貧困、環境破壊など直接的に人権侵害に結びつくような状況がある場合には、組織は自らの決定や行動について、充分な調査を行うとともに、それがどのような影響を及ぼすかについて見当することが必要です。何らかの形で影響力を及ぼすことになってしまうような場合、常に人権の尊重に対する責任を意識していなければならないのです。