今週は、「影響力の範囲」と「ステークホルダー」「ステークホルダーエンゲージメント」という3つの用語の定義です。それぞれ、社会的責任についての話題にはよく出てきますので、用語の意味を押さえておくことは大切です。
2.19 影響力の範囲(sphere of influence)
「組織(2.12)が個人又は組織の決定又は活動に対する影響力をもつ、政治、契約、経済、その他の関係の領域・程度。」
組織が自らの決定やそれに伴う活動に対しての責任は、直接その影響を受ける範囲に限らず、他の組織や他者に対して広範な影響力を及ぼすこともありえます。決定や活動が及ぼす影響力の範囲について分析したり判断したりしながら、組織は自らの影響力がマイナスのものとならないように注意することが必要です。
2.20 ステークホルダー(stakeholder)
「組織(2.12)の何らかの決定又は活動に利害関係をもつ個人又はグループ。」
ステークホルダーは、組織の決定や活動に対してなんらかの利害を持つ組織や個人のことで、通常は利害関係者などといわれます。ステークホルダーは、単に利害関係を持つというだけではなく、何らかの形で組織に影響力を及ぼす可能性がある主体であるということができるでしょう。組織は組織をとりまいているステークホルダーについて検討し特定していくことが必要です。
2.21 ステークホルダーエンゲージメント(stakeholder engagement)
「組織の決定に関する基本情報を提供する目的で、組織(2.12)と一人以上のステークホルダー(2.20)との間に対話の機会を作り出すために試みられる活動。」
組織がステークホルダーとの間で対話をすることはとても重要なのですが、それには情報の提供や意見の交換などを通して双方向的な取り組みが行われなければなりません。組織が積極的にステークホルダーと関わる中で双方が受け入れることが可能な部分を見つけ出すことができるように活動をするプロセスのことをステークホルダーエンゲージメントといいます。