2011年7月6日水曜日

第二章 用語及び定義(ISO26000)その7

今回は、組織の意思決定システムである「組織統治」と、組織が動くための基本的な考え方となる「原則」、あと「製品」と「サービス」といった用語についてです。

2.13 組織統治(organizational governance)

「組織(2.12)がその目的を追求する上で、決定を下し、実施するときに従うシステム。」

  組織統治は組織が持っている活動の目的を実行するために行う意思決定を行ったり、実施をしたりするために、組織内でその役割分担と意思決定の権限についてルール化されていますが、組織内がルールに従って行動するためのシステムのことをいいます。組織統治は組織が活動するために必要な最も中核となるシステムですが、規定化されている組織統治のシステムだけではなく、それぞれの組織が持っている明文化されていない組織風土も、実は組織統治のシステムとして機能しています。


2.14 原則(principle)

「意志決定又は行動のための根本的基礎。」

  組織が意思決定を行い、実際の活動をしていくためにはその基本となる考え方が必要です。さらにその考え方が共有されていなければなりません。ISO26000の中では、その基本的なものとして、①説明責任、②透明性③倫理的な行動④ステークホルダーの利害の尊重⑤法の支配の尊重⑥濃く際行動規範の尊重⑦人権の尊重が社会的責任の7つの原則として提示されています。


2.15 製品(product)

「販売のために組織(2.12)から提供される、又は組織によるサービスの一部である物品若しくは物質。」

組織によって販売されたりサービスの一部として提供されたりする「モノ」のことを言います。製品を販売することが目的の営利組織では事業活動の中核となってきます。


2.16 サービス(service)

「需要又はニーズを満たすための組織(2.12)の行動。」

「モノ」を販売するのではなく、組織によるなんらかの行動や情報などを提供する場合の対象物です。製品を販売するのではないのですが、そういった業務を中心に行っている会社では「サービス」が事業自活動ということができます。