2011年2月16日水曜日

実は怖いかも ISO26000

 今日は、ISO26000に関する会合に出席するために、
大阪に来ています。さて、そのISO26000の目的は企業
が「持続可能な発展」に貢献することにあるとされています。

 そしてその目的を達成するために、以下のような社会的責任の
7原則が挙げられています。

 1.説明責任
 2.透明性
 3.倫理的な行動
 4.ステークホルダーの利害の尊重
 5.法の支配の尊重
 6.国際行動規範の尊重
 7.人権の尊重

 以前にも書いたとおり、ISO26000は認証規格でもなけれ
ば、契約に際して必ず考慮しなければならないものでもあり
ません。

 つまり、これらの7つの原則に対して、企業として何もしな
かったとしても不利益を蒙ることはない(かもしれない)という
ことになります。

 では、こんな規格は無視してしまえばいいのでしょうか?
 今日の会合の中で、ひとつ思い至ったことがありました。

 この規格は、日本からも産業界や行政機関、消費者団体など
色々な立場の代表が参加して作成されました。
 ある意味では、日本は国を挙げてこの規格に賛成していると
いうことになります。

 将来は日本政府をはじめ各国政府がいろいろな場面でISO
26000を「社会的規制」をかける際のよりどころの一つと
することがあるかもしれません。

 仮に強制力のある法的規制にならなかったとしても、ソフト
ローとしての規範性が生じてくることは充分にありえることです。
 つまり、これにいち早く対応している企業は、あとから追随
する企業に比べて優位に立てる場面が想像されます。

 認証規格でもなく、強制力もないISO26000ですが、実は
こんなところにひとつの怖さがあるのかもしれません。

(Masanori Imamura)