「白い船」という映画をご存知でしょうか? 錦織良成監督の2002
年の作品で、島根県の塩津という小さな町にある全校生徒17人の小学校
が舞台です。いつも決まった時間になると、教室の窓からいっぱいに見え
る海の彼方を、白い船が通っていくことに一人の生徒が気付きます。大人
だったら、きっと心に留まることもなく忘れてしまうような小さなことで
すが、好奇心のかたまりのような子どもたちは違っていました。「どんな
船?」「どこへ向かう船?」という子どもたちの大きな疑問に大人たちの
心も次第に動かされていきます。
塩津沖を通る白い船が、新潟県の直江津と福岡県の博多を結ぶ定期フェ
リーだとわかった時から、子どもたちと船との交流も始まっていきます。
知るほどに更に想いがつのっていく子どもたちと、子どもたちの想いに
少しでも応えてあげたい大人たちの想いが少しずつ形になっていきます。
最初は、いつも遠い沖を通っていたフェリーが小学校にできるだけ近づ
いて通過するという形で、そして更に交流が続き、ついに子どもたちは学
校から12時間もかけて直江津に行き、そこからからあこがれていた白い
船に乗船することになったのです。
ヒロインの女性教諭は、教師であることに疑問を感じながら、この小さ
な小学校にやってくるのですが、元気いっぱいの子どもたちと共に一歩一
歩成長しながら、教師としての自分を取り戻していきます。
夢を実現すること、それには多くの人たちの一途な想いが幾重にも重な
っていくことがとても大切なのだということに気がつかされます。
エンディングに流れてくる、角松敏生さんの歌う「Always be with you」
もとてもいい曲です。
DVDも出ているようですので、年末年始、レンタルビデオ店などで見か
けたら、ぜひ見てみてください。日本の原風景のような美しい緑と青い海、
そして吹きぬける風も感じられるかもしれません。
今年最後のメールマガジンとなりました。今年一年を無事に乗り切ること
ができましたのも、皆様のご支援の賜物であると思っております。誠にあり
がとうございました。
来年も、引続きよろしくお願い申し上げます。
では。皆様、よいお年をお迎えください。
(代表取締役 今村正典)