この連休中、どうしても行きたかった日本国宝展を見てきました。
上野の東京国立博物館です。雨でした。
さすがに特設展なので混雑しているし、スマホで情報チェックすることさえ禁止されるし、
落ち着いて見学できないので、途中でイヤになってみるのをやめました。
やむなく常設展に足を運んだのですが、こっちの方がよほどいい。
というか、特設よりも興味深いものが多くて、結局こちらが本日のメインとなりました。
こちら、ハート型の顔をした土偶、つまり縄文人の著作物です。
これを幼稚だなんて思わったらいけません。
この写真を見て同じものを作れる自信は私にはありません。
ましてや私が独創で、つまり現代メディアの影響を排して、
これと同じレベルに達することはできないでしょう。
こちら↓をご覧ください。
これ、貝殻に見えますが土偶です。
ハート型土偶とほぼ同じ時代の作品ですが、実に写実的。
これほどの客観性と技巧があったうえでのハート型土偶なのです。
冷静に考えて見ましょう。
学校もテレビも本もない狩猟採集社会で、これを作れてしまう人たちのスゴさ。
これは日本人らしさの根源を物語っているように私には思えます。
一方、はるかに時代はくだって古墳時代。
埴輪と言われるものですが、これはかなり出来の良いほう。
土偶と比べてみていかがでしょう。
これは貴人の墓に備えられたもの。
つまりかなりセレブな人たちのための品でありますが、
それにしてはイマイチという感じがしませんか。
製作者の姿勢に大きな違いがあるように思います。
権力者から命令されて作ったものと、自分の情熱のままに作ったものとの違い
なのかどうかわかりませんが、明らかに心のありか方が違うと思うのです。
そんなことを考えて見ているうちに夜の8時。
足腰が疲れてしまいました。坦々面を食べて帰りました。