2013年1月9日水曜日

神様のランキング

歴史好きの私にとって、神社はとても楽しい場所です。
正月になるとたくさん参拝者がありますが、人気の第一位は明治神宮で315万人が
正月三が日に参拝したそうです。

続いて、成田山新勝寺、川崎大師、浅草寺、伏見稲荷、住吉大社、鶴岡八幡宮、
熱田神宮、氷川神社、太宰府天満宮となります。

ところで皆さんは参拝した神社の神様の名前をご存知ですか?
知っておくと、神様のご機嫌が良くなって運気があがるかもしれませんよ。

なお、私の頭の中では参拝者数のランキングとは別のランキングがあります。
こんなことを言うと罰当たりではありますが、例えば、新しい神様より古い神様の方が
「老舗の風格」みたいなものを感じてしまいます。

たとえば人気第一位の明治神宮ですが、主祭神は明治天皇です。
ご立派なことに間違いありませんが、日本の歴史で見ると「若い」神様です。
成田山は不動明王がご本尊ですが、日本古来の「神様」というよりは仏教の方ですね。

勝手ながら私が注目してしまうのは、住吉大社や氷川神社のような、古代から続く謎
の多い神社です。
でも行列が嫌いなので、できれば人があまり参詣しない神社の方が好きです。
参拝者が多いところは現代的な設備が整っているため、かえって「神社らしさ」を感じ
にくいものです。

ズパリ言ってしまえば、地方の静かな、しかしよく手入れされた、自然に囲まれた神社
が好きです。
ですので、ケチをつけるつもりはありませんが、参拝者数ランキングに入るような神社
は好みではありません。

さて、私が今年参詣した神社は石川県金沢市の神社です。
一番盛況だったのは前田利家を祭っている尾山神社。
ここは美しいステンドグラスを用いた神門を持つ珍しい神社ですが、武勇の誉れ高いと
は言え、戦国武将の神様はまだ若いし、謎めいていません。

兼六園のそばにある金沢神社は天神様、つまり菅原道真公が主祭神です。
天神様は学業の神様なので、この季節は大人気ですが、私はその近くにある石浦神社の
方が気になります。

こちらは大物主命(おおものぬしのみこと)。
三輪山の神であるとされ、神話にも登場する非常に古い神様です。
おそらく大和朝廷の成立にかかわり、しかも天皇家の祖先神とは一線を画す謎の多い神
です。

その名のとおり、力強く、古代から恐れられた神で、崇神天皇を祟ったらしい記録が
日本書紀にあるほどです。
崇神天皇は歴代の天皇の中では神武天皇とともにわずか二例、その名に「神」の字が
用いられる特別な天皇なのです。

神様マニアの私としては、大物主の神様に参詣できたのはうれしいことでした。
さて、罰当たりな話からスタートした「歴史チャンネル」ですが、今年もよろしく
お願いいたします。


(日野 孝次朗)