2011年9月14日水曜日

第三章 社会的責任の理解(その5)

3.3.4 社会的責任の統合

 社会的責任は、どうしても企業が行っている慈善事業のように組織内での日常業務とは切り離された別のものとして認識さやすい傾向にあります。確かに、組織が行う慈善事業が社会的課題の改善に大きく寄与することは間違いありません。しかし、慈善事業を行っていても日常の活動の中で発生する決定や行動が社会的責任を考慮しないものであったとしたら、社会に対してマイナスの影響を与えることもあります。

 したがって、組織のあらゆる部門において日常的に発生している決定や行動には説明責任が求められていることを理解しておく必要があります。社会的責任は、組織の決定や行動について、その意思決定が行われるあらゆる段階で判断の中心的課題のひとつとして機能していることが必要なのです。