携帯電話向け釣りゲームサイトの画面がそっくりだということで、同業他社に対し著作権侵害による損害の賠償と使用差し止めを求める訴訟が提訴されていたというニュースが21年12月にありました。
各画面の内容や全体の構成が酷似しているので著作権にあたるという主張がされているそうです。
テレビCMでもおなじみの会社による提訴だったので、紛争の概要はなんとなく想像がつきます。
携帯画面の中で機能するゲームの画面の構成というものも、確かに著作物(美術の著作物)にあたると考えられるでしょう。
ただし、その酷似したという部分が、果たして美術的な創作性を有しているのか、編集著作物としての創作性があるのかないのか、といった部分を観察して判断することになると想像されます。
実際のところ、ゲームサイトの構成が他社のサイトの影響をまったく受けていないと言うこともないでしょうし、まったく似ていないと言うことも無く、ではどの程度の「真似」をもって「複製」にあたると言えるのかは非常に難しい判断になることがあるでしょう。
私はこの件で問題になった画面と言うものを見比べているわけでもないのでなんとも言えませんが、ゲーム画面にも著作物性があるという話は、言われてみれば当然とは言え、実際にニュースとして聞いてみると、「もしこれが相談されていたら自分はなんと答えていたかなあ」と思うと少し不安になったりします。
著作権法の判断には、ある部分において常識や感覚を土台にして判断せざるを得ない場合があります。
しかし、自分の常識や感覚が世間のそれと一致するとは限らないし、世間の一部分に過ぎない特定の業界の常識や感覚と一致するとも限りません。
今回の提訴についても、どちらに軍配があがるかは未知のことですし、判決にまで至らないかもしれません。
ですので、弊事務所のように複数の人間の意見を聞いて多角的な内容の回答をするサービスは有益だと考えています。
法律の白黒以前の総合的な判断が現実には重要だと思えるからです。