今城塚古墳の見物話のつづきです。
謎の継体大王の古墳のわきにある歴史博物館を訪問しました。
こちら、大王の石槨がレプリカで再現されています。
これ、九州の阿蘇あたりから運ばれてきた石だとか。
こちら、屋根がギザギザつきの小屋です。
このギザギザには魔よけの意味があります。
これは裳(も)がりの建物ではないかという説があるそうです。
裳がりとは死者の死を確認する弔いの作業。
人がいつ死んだかを医学的に確認する基準がないので、
遺体とともに、時には一年もかけて一緒にすごすとか。
その間、悪霊がこないようギザギザでバリアするのです。
こちら、鞍ですが、漆ぬりでしょうか。テカっております。
騎馬の埴輪がたくさんあって、すでに半島で高句麗などと
戦ってきた倭国ですから、騎馬戦闘にも慣れたものでしょう。
卑弥呼の時代には牛馬がなかったと記録されます。
なんとカッコイイ甲冑でしょう。
貴重な鉄を上手に加工して、これを装着して騎乗したらさらにカッコイイ。
平安貴族には似合わない装束です。これこそ古代の倭国ですよ。
騎馬文化の臭いがあります。
こちらは鷹匠ですね。肩に鷹がいます。
これは天空にいる悪霊を退治するという意味があって、
王を警護しているつもりなのだそうです。
博物館では学芸員さんのお話がとても貴重ですよ。
こちらは地上で王を警護する武士の埴輪。
甲冑で完全装備。そして今にも剣を抜こうとする様子は、
地上から侵入しようとする悪霊を威嚇しているところでしょう。
そして、こちらは地下の悪霊を威嚇する人。
あれれ、おすもうさんじゃないですか。
マゲもマワシもあるし、お腹もでっぷり。
この体格でシコを踏み、地面に清めの塩をまいて、
地下から侵入しようとする悪霊を追い払います。
なんと、西暦500年より前の時代に、力士が天皇を護衛しているのです。
相撲はただの格闘技ではないですね。
こちら、縦長の物体は太刀だそうで、これも魔よけです。
武器やギザギザのモノは、危険なもの、ということで、
悪霊を威嚇していると考えたのでしょう。
こちらは瑞垣(みずがき)。
今でも一部の神社に残っていますが、木の柵みたいなもの。
先がギザギザなのは、やはりこれで悪霊を防いでいます。
こちらは当時の家。
壁と窓と入口がしっかりあります。
屋根は萱葺きで、古い神社のつくりに似ています。
小さいなあ。
というわけで、学芸員のおじさんのおかげで、
面白い話をたくさん聞けました。
やはり、現地に来て良かったです。
おわり