2014年4月23日水曜日

日本人はなぜ来ない?

月曜日から、スリランカに来ています。日本からは飛行機で約9時間、インドの南東にある北海道より少し小さな島です。以前はセイロンと言われて、紅茶はとても有名です。昨日は、紅茶の工場に行き、茶葉をブレンドしテイスティングしているところを見学しましたが、微妙な調整はまさに職人技です。

今回の出張も、初日から分刻みで全く観光はおろか買い物ひとつできないスケジュールになっているので、観光客が多く集まるようなところには全く行っていないのですが、ホテルの中でも、街中でも日本人観光客の姿を全くといって見かけません。欧米や中国、中東。アフリカの人々ばかりです。

スリランカに在留している日本人を見ても、手元にある少し前の平成22年の資料によれば、800人ほどです。そのような状況なので、投資の状況を見ても日本はそれほど目立っているわけではありません。

昨日、スリランカ投資庁に行き、担当の大臣と面会しましたが、この時も日本からの投資を本当に待望しているのがわかりました。どこに行っても、「日本がやって来るのを待っている、でも、日本人はなぜスリランカに来ない? 」という質問が出ます。

逆に大きく進出しているのは中国で、インドの鼻先にあるスリランカは軍事的にも重要な拠点として考えているようで、空港や港湾といった大型の公共事業も多くが中国からの援助でつくられています。

ホテルの窓からは、拡張工事中のコロンボ港が見えます。中国の援助を受けて行われている工事が終わると、コロンボ港の貨物取扱量は世界有数の規模になります。アジアからもヨーロッパからも中東からも中継点となるスリランカは確実に世界のメガハブになろうとしています。
この国で日本がもう少し目立つことが、とても大切なことのように思えます。

今日は、これから日本大使館に行き、粗信二大使やジェトロ、JICAの方々とお会いする予定になっています。ここでもきっと、日本から民間がもっと出てきてほしいというお話になるのではないかと思います。

セイロンティーにアーユルヴェーダ、多くの世界遺産のあるスリランカ、とりあえず観光で一度訪れてみてはいかがでしょうか。


(今村 正典)