2012年1月18日水曜日

人権に関する課題(その2)

今回は、「加担の回避」と「苦情解決」の二つについて解説します。

3 加担の回避
   人権の侵害は、組織が直接関わって発生するよりも、他の組織等によって行われている人権侵害に関与してしまうことのほうが多いのではないかと思います。取引先が途上国で行われている児童労働に関与しているような場合です(受益的加担)。加担は、組織が自らのサプライチェーン全体について注意をはらい、人権侵害が発生しているような場合には、他の組織に対して積極的にその解消のために影響力を及ぼすことも考えられます。

4 苦情解決
    組織の活動によって、人権の侵害が発生したという苦情の発生があった場合には、組織はその事実を確認し、実際に人権の侵害が発生している場合には、その救済を図る必要があります。組織は自ら、人々が利用しやすく公平であり、透明性の高い仕組みを構築しておくことが必要です。しかし、それらの仕組みがぞれぞれの地域での法的手段の行使について制限することにならないようにしなければなりません。