2010年9月24日金曜日

ビルの防水工事の保証について

◎質問
ビルの防水工事を行いました。施主から、防水工事の保証について聞かれていますが、注意しておく点について教えてほしい。


◎回答
防水の保証制度は、通常の場合、新築工事における防水工事や、改修工事の中で全面改修を行った際に、元請業者と防水施工業者と材料メーカーの3社で連名保証をすることになっており、通常の保証期間は10年とされます。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」については、その対象が住宅となっており、兼用住宅でなければ通常の商業ビルは法律の対象とはなりません。

ただし、法律施行前の判例からは、防水工事の事例ではなく基礎工事についてではありますが施主からの依頼があったとしても、地盤に合わない基礎工事の結果発生した瑕疵について施工業者の責任が認められている事例もあり、防水工事でも一定の品質を保証しておく必要があります。

一般的には、防水保証においては、元請業者、防水施工業者、材料メーカーの3社の連名で保証されます。材料メーカーは、材料の品質についての保証となるので、施工に関しては元請業者と、施工業者がそれぞれに責任を負うこととなります。

通常の防水保証では、現在発行されている保証書のように、施工に起因する場合は防水層に限って保証するという記載が多くなっていますが、「当事者立会の上、原因を調査し、協議のうえ当社に責任があった場合には、保証期間内については、保証する。」といった内容にすることも可能です。

通常の免責事項は、以下のような記載が多くなっています。

・天災地変,異常気象に起因する事故

・建物の構造上の欠陥,躯体素地,旧塗膜に起因する事故

・内部からの水回りによる事故

・当該施工部以外の発生事故,弊社材料以外に起因する事故

・引き渡し後の施主および第三者による,保守,改築等による起因する事故

・大気汚染,付着物による汚染,引っ掻き等の物理的原因に起因する事故

・ その他不可抗力と認められる事故