2014年11月2日日曜日

雨の国宝展をさすらう

この連休中、どうしても行きたかった日本国宝展を見てきました。

上野の東京国立博物館です。雨でした。


さすがに特設展なので混雑しているし、スマホで情報チェックすることさえ禁止されるし、

落ち着いて見学できないので、途中でイヤになってみるのをやめました。

やむなく常設展に足を運んだのですが、こっちの方がよほどいい。

というか、特設よりも興味深いものが多くて、結局こちらが本日のメインとなりました。



こちら、ハート型の顔をした土偶、つまり縄文人の著作物です。

これを幼稚だなんて思わったらいけません。

この写真を見て同じものを作れる自信は私にはありません。

ましてや私が独創で、つまり現代メディアの影響を排して、

これと同じレベルに達することはできないでしょう。

こちら↓をご覧ください。



これ、貝殻に見えますが土偶です。

ハート型土偶とほぼ同じ時代の作品ですが、実に写実的。

これほどの客観性と技巧があったうえでのハート型土偶なのです。

冷静に考えて見ましょう。

学校もテレビも本もない狩猟採集社会で、これを作れてしまう人たちのスゴさ。

これは日本人らしさの根源を物語っているように私には思えます。





一方、はるかに時代はくだって古墳時代。

埴輪と言われるものですが、これはかなり出来の良いほう。

土偶と比べてみていかがでしょう。

これは貴人の墓に備えられたもの。

つまりかなりセレブな人たちのための品でありますが、

それにしてはイマイチという感じがしませんか。

製作者の姿勢に大きな違いがあるように思います。

権力者から命令されて作ったものと、自分の情熱のままに作ったものとの違い

なのかどうかわかりませんが、明らかに心のありか方が違うと思うのです。

そんなことを考えて見ているうちに夜の8時。

足腰が疲れてしまいました。坦々面を食べて帰りました。