2012年12月6日木曜日

「普通」は難しい(のぞみ総研メルマガ2012.6.6)

格安の航空運賃で最近話題になることが多いスカイマーク。
コスト削減のために業務の簡素化の努力に励んでいるとのことですが、座席
シートのポケットに置かれた「サービスコンセプト」が「普通」じゃないと
いうことでニュースに取り上げられていました。

私が勝手に要約してみますと、

(1)乗務員は荷物収納の手伝いをしない。
(2)乗務員に丁寧な言葉遣いを義務付けていない。
(3)乗務員のメイク、髪型等は自由。
(4)乗務員の服装はポロシャツとウインドブレーカー以外自由。
(5)乗務員の私語に関する苦情は受け付けない。
(6)幼児の鳴き声に関する苦情も受け付けない。
(7)客室乗務員の指示に従っていただく。
(8)機内での苦情は一切受け付けないので、お客様相談センターか
 消費生活センターに不満を言ってください。

なるほど「普通」にはありえない、痛快なサービスコンセプトです。
安いものにはワケがあり、これが当社の格安の理由なのだと宣言しているよう
でもあります。
昨日のニュースでは、「消費生活センターに苦情対応をさせるのは許せん。」
ということで、関係各所から抗議を受けているようです。
あとは消費者がどう判断するかと言うことで、こういった手法も、これはこれ
でアリだと思います。

「我が社は安くて安全で快適ですよ。」と言われると、何となく良いイメージ
がわいて来るかもしれませんが、そんなことは実際ありえないはずです。
「我が社はサービスは悪いですが安いですよ。」ならば、つじつまが合います
が、やはり「普通」じゃありません。
果たして、何事も「普通」が大好きな日本社会で、今後受け入れられるのかど
うか。

ある結婚相談所のアンケートでは、理想の結婚相手は?と質問すると、多くの
人が「普通の人」と答えるそうです。
では、結婚相手として「普通」を求められる全ての項目で「普通」に該当でき
る人はどれほどいるのか。
実際にはほとんどいないのだそうです。

「普通」の人になるのはそれだけ難しいと言うことですが、では「どこが普通
じゃないのか」を認識することもまた容易ではありません。それでも「自分は
普通」と思い込んでいるのが「普通」の人のようです。
私は普通なのでしょうか。。。

(日野 孝次朗)