2012年8月22日水曜日

昭和の人情(のぞみ総研メルマガ2012.2.22コラムより)

埼玉県川口市のSKIPシティという所に映像公開ライブラリーという施設が
あります。
そこにはNHKのドラマやドキュメンタリーで、DVD化されていない番組や
ネットでは見られない番組を試聴することができます。

1987年、88年にNHKで放送された「イキのいい奴」「続・イキのいい奴」
というドラマがありました。
戦後に鮨屋に弟子入りした青年の成長物語のドラマです。
名優小林薫が頑固な親方、弟子が金山一彦というキャスティングで、
昭和の人情味あふれる内容の大好きなドラマでした。
ひょんなことから当時のビデオが見つかり休日に見ていたのですが、
「続・イキのいい奴」の残り4話のビデオが見つかりません。
気になって仕方ない私は片道1時間半以上かけて川口まで行き、タクシー
に乗ってSKIPシティまで行って最終回まで見てきました。

このドラマには原作があります。
「神田鶴八鮨ばなし」という本です。
作者であり鮨職人の師岡幸夫さんの修業時代のお話しが元になっています。

このドラマと原作で感じることは、昔の人は人間関係をとても大切に
していたのだということです。
今日の人達が人間関係をないがしろにしているということではありません。
ご近所付き合いなど人と人とのふれあいが今日とは比べものにならない
くらい多く、それが当たり前だったのだと思います。
映画「三丁目の夕日」にもこのドラマ・原作と共通する「人情」という
ものがあると思います。
だから私は面白いと思ってしまうのでしょうね。

感慨深いドラマと書物に何となくホッとした今日この頃です。

 (小峰 望)