2012年7月11日水曜日

マナーとマンネリは紙一重(のぞみ総研メルマガ2012.1.11より)

警視庁副総監が
「日々の業務を漫然と行っているとマンネリ化する懸念がある。緊張感を
持ってほしい」
と、警察官に訓示したというニュースがありました。
オウム真理教の元幹部が警視庁に出頭した際に、応対した機動隊員が門前払い
を食らわせたことなどが原因のようです。

「管轄が違うとか、担当者がいないとかの理由で、相談に訪れた人に詳しく話
を聞かず、門前払いにすることはあってはならない」
という話もされたそうです。

「なるほど、そうだったんだ!」
と私は思ってしまいました。
行政による管轄違いの門前払いというものが、当たり前のことだと私は思って
いたからです。
つまり、常日頃行政と接している私は、マンネリ化した行政の門前払いを何度と
無く受け入れているうちに、それを当然のこととして受け入れていたのです。
私は無思考によるマンネリ化に陥っていたと言えます。

マンネリは英語のマンネリズム(mannerism)を省略した言葉です。
形式主義、様式主義。という意味があるそうです。
あるひとつの形式を繰り返す傾向をマンネリ化と言うのですね。
マンネリズムは、癖・礼儀作法・行儀といった意味の「manner(マナー)」
と同じ語源だそうです。

マナーは形式的だし、繰り返します。
日本社会はマナーが行き届いていると言われますが、裏を返せば「形式主義」
であり、独自の発想に欠けている、つまりマンネリズムに陥っている側面が
あるのではないでしょうか。
良いと思って繰り返していることが、マナーなのかマンネリなのか、これは
意外と難しい問題だと思うのです。

(日野孝次朗)