2012年4月4日水曜日

コンプライアンス研修について思うこと

昨年後半から風営法についての関心が高まっているためか、風営法やコンプライアンス関係の研修の話が増えてきています。

研修には、複数の企業が同時に参加する業界型の研修と、企業内研修とがあります。
風営法に関する講演の場合、デリケートな話がどうしても多くなりますが、業界型の研修ではなかなか思ったことが言いにくく、その分面白さが薄くなってしまいます。

また、講演の内容やタイトルがあらかじめ限定されている場合が多く、規定の路線にあわせてしまうと、どうしても面白さが薄くなってしまいます。

セミナーとか講演といったものは、多くの場合、主催者のイメージどおりの内容では面白くないのです。
それは、主催者のイメージどおりであるということは、誰もが想定できる内容だということの裏返しであって、陳腐な内容になりがちだということでもあります。

何度か私の講演を聴いてくださった方であれば、「こないだのアレを」をおっしゃっていただけるのがありがたいです。

私が取り扱うテーマは、「完璧な法令遵守は無理」ということ。
次に、「コンプライアンスは選ぶもの」ということです。

これは、型どおりのコンプライアンス研修のイメージとはかけ離れていますが、現実なのだから仕方がありません。
つまり、私にとっては奇抜でもなんでもなく、当たり前のこどです。
ただ世間では、そのような点にはあまり触れたがらないということです。

私は一方で知的財産権を、一方では風営法を扱っています。

知財分野は陽が当たるエリアです。風営法は日陰にあります。
いずれも法律ですが、その状況は大きく異なります。

法は人間が運用するもの。つまり、それを扱う人間次第で、どうにもこうにも変わります。
その現実を受け入れずにコンプライアンスができるはずもないし、コンプライアンスは法律を丸暗記したり、難しい本を読んで身につけるものでもありません。

そういったことを一人でも多くの方に考えてもらうことが、きっとこの社会の未来にって目出度いことだと思いながら、日々活動しています。

(日野孝次朗)