2011年9月14日水曜日

釣り考 その2

~ 親父が教えてくれた置き針釣法 前編 ~

    小学校3年生の時、僕達一家は相模湖の対岸にある戸建ての家に引っ越した。
    そこは、相模湖の湖岸を走る県道の前で、嵐山の登山口となる脇で県道から5メートルくらいの高台に位置し、相模湖が一望出来る場所であり、いつでも釣りが出来る理想の家だった。
    ただ、家の下は急な崖になっているので僕や弟が釣りをするのは、家から200㍍程東に行った船着き場のある片隅だった。
    そこは小さな湾になっていて、上に橋が架かっている。橋の上から湖面を見ると時々1メートルを超える野鯉が群れをなして悠々と泳いでいるのを見たことがある。
僕達は、
 「あんなのが釣れたらどうしよう」
  と恐怖に戦いたもんだが、考えてみればこんな粗末な仕掛けにあの鯉達が掛かる訳がないのに、その時は真剣に掛かったことの恐怖しかなかった。
その場所は野鯉がかかる場所でよく鯉が掛かったけれど、10匹に一度くらいの割合で「ドイツ鯉」 
       と呼ばれている鯉が掛った。  (こんな立派になった嵐山橋)


    ドイツ鯉は普通の鯉と殆ど同じ姿ではあるが、鱗に特徴があった。
    鱗が極端に少なく鱗が側線付近一列に不規則に並んでいる、そして体色も野鯉より金色っぽい不思議な鯉だったな。
    初めてドイツ鯉を釣り上げた時はなんだか気味が悪くて掴めなかったけれど、大人からこの鯉の話を聞いてからは、このドイツ鯉釣りに燃えた。
    しかし、何時の時期に誰が相模湖にドイツ鯉を入れたのだろう。
    そして今、相模湖でドイツ鯉が釣れると言う話しを聞いたことがない。
    今はもう幻の魚になってしまったのだろうか、それならもう一度挑戦してみたいな。
   
    インターネットで調べたらドイツ鯉の解説があった。

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    鏡鯉(Mirror Carp)
 全身を鱗で覆われた真鯉に対し、鱗が極端に少ないものをドイツ鯉と呼びます。
 その中でも鱗が側線付近一列に不規則に並んでいるものを鏡鯉といいます。体型
 は全長の割には体高が高く、全体的に丸みを帯びた感じがします。鱗は不規則に
 並んでいるだけではなく大きさも不均一なため、日本人の目から見るとかなり奇
 異な感じを受けます。これはヨーロッパにおける品種改良の結果生まれた品種で
 す。
   革鯉(Leather Carp)
 同じくドイツ鯉の中でも鱗がほとんどないものを革鯉といいます。食用とする目  的で、より鱗のない鯉をヨーロッパで品種改良した結果生まれたものです。日本  ではごく稀に鏡鯉に近いものを見ることがありますが、この革鯉は見ることがあ  りません。それは日本にドイツ鯉を移入した際に、日本の鯉との交配がなされた  ため鱗が入っているようです。
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つづく