2011年6月29日水曜日

ISO26000と中国

 今回は中国に出張中なので、いつもの連載をお休みして中国のISO26000を考えてみようと思います。

 ISO26000の策定にあたって中国はとても積極的で最終投票でも賛成されています。
 これには、中国で深刻になりつつある環境汚染や水不足、エネルギー需要の急激な増加や資源不足、更には労働環境改善の圧力などがあります。

 これまでは、国益のために持続可能性をある程度犠牲にしながら経済発展を優先してきましたが、これらの問題を放置することが逆に国益を損なうことになりつつあるという認識が広まって来ているようです。 

 今も、北京のホテルでこれを書いていますが、窓の外は靄で真っ白。晴れなのか曇りなのかもわかりません。
 でも中国は「上に政策あれば下に対策あり」の国です。政府が単に法令で規制しても、いたちごっこになってしまいます。

 そこで、CSRを活用してサプライチェーンそのものを変えていこうということで、CSRに積極的な企業には優遇措置をとるなどして企業を変えていくという方法を取り入れはじめました。

 日本や欧米の外資系企業も、当然その対象となってきます。現在は「優遇」ですが、社会への浸透にともなって、法律ではない規制(ソフトロー)に移行していくことも充分に考えられます。
 さほど遠くない将来に、中国がCSRで大きく躍進する時がくるのかもしれません。